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10/19(木)〜 特別企画展2017 vol.2「ドキュメント 〜幻想市街劇『田園に死す』三沢篇〜」 [2017年10月18日]

何よりも、まず演劇を「劇場」の外に引きずり出すこと。そのことによって、虚構と日常の現実とのあいだの国境線を取り除き、「何が現実で、何が虚構かわからぬ」歴史の記述と同じ高みに演劇を置くこと、が必要であった。  寺山修司 『迷路と死海 わが演劇』

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 このたび、寺山修司記念館開館20年を記念し、特別企画展「ドキュメント 幻想市街劇『田園に死す』三沢篇」を開催いたします。

 今年8月6日に、1日だけ上演され、全国から観客を集めた「幻想市街劇『田園に死す』三沢篇」当日は、虚構と現実の交錯したテラヤマ・ワールドを三沢市内各所に出現させました。観客、演者、スタッフ、誰一人として全てを見ることはできない同時多発75演目。市街劇の演出上、開催当日にチケットと引き換えに渡された地図を元に、観客は一人ずつ自分の出会う劇を選びます。観客の数だけ、この演劇は、違うものになっています。これまで上演された市街劇の中でも、最大規模で開催されました。残された舞台美術、大道具、小道具、記録写真、映像などにより、その全貌に迫ります。

 寺山修司は、69年、渋谷に天井棧敷の専用劇場を作りますが、「建物としての《劇場》は演劇にとっての牢獄である。」と語り、その翌年には、市街劇の第1作目『人力飛行機ソロモン』に取り組みました。

 1970年代に寺山修司が取り組んだ独自の演劇手法「市街劇」。世界演劇史上極めて実験的と高く評価されました。当時は、学生運動が激化、若者と権力体制という強烈な対立構造が存在していました。そのなかで、市街劇は寺山が謳った「政治を通さない革命」そのものだったのです。

 『人力飛行機ソロモン』は、1971年にフランスのナンシーとオランダのアーヘムの公演で成功を収め、30時間市街劇『ノック』(1975)では、さらに、日常に深く切り込んでいくことになります。晩年、寺山は、また市街劇をやりたいと話していたと言います。

 没後は、10年に1度のペースで上演されてきた市街劇。演劇の枠を超えた変革を目指した寺山の企みは、まだ続いているのです。

街は、今すぐ劇場になりたがっている。

さあ、台本を捨てよ、街へ出よう!


●会期=2017年10月19日(木)〜2018年4月1日(日)

●開館時間=9:00〜17:00(入館は16:30まで)

●入館料 一般個人:530円(常設展310円+企画展220円)
      一般団体:430円(20名以上)
      高大生:100円 小中学生:50円 ※ 土曜日は、小中学生無料

●会場=寺山修司記念館エキジビットホール

●お問合せ=三沢市寺山修司記念館 tel.0176−59−3434

      青森県三沢市大字三沢字淋代平116−2955

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