「寺山修司と天井棧敷ポスター展」、本日愈々オープン! [2013年01月12日]
1967年、「見世物小屋の復権」を標榜、『青森県のせむし男』で旗揚げした寺山修司主宰の「演劇実験室天井棧敷」は、公演を重ねるごとに益々前衛化し、世界屈指の前衛劇団(アヴァンギャルド・カンパニー)と評されるまでになりました。呪術音楽劇、市街劇、密室劇。拡散し収縮する手法の自在性。1983年、寺山の突然の死によって劇団を解散するまで国内外のアンダーグラウンドシアター・シーンをリードしつづけた寺山修司と天井棧敷。その本公演(いわゆる手打ち興行)は、17年に及ぶ活動のあいだ、実に30回を数えます。
今回のポスター展は、その本公演すべてのポスターを展示、他にもアトリエ公演、プロデュース公演、劇団員募集などの告知ポスターをも網羅。まさに「天井棧敷の宣伝美術の全貌」の名に恥じない展覧会となっています。劇団員として天井棧敷創設にかかわった横尾忠則をはじめとして、粟津潔、宇野亜喜良、金子國義、林静一、井上洋介、及川正通、榎本了壱、花輪和一、合田佐和子、戸田ツトムなど気鋭のアーティストが手掛けた斬新なデザインは、単なる公演告知の枠を越え、時代を切り裂き、その先にあるものを予感させるメッセージ性に満ち満ちています。
北の町・三沢。冬の寺山修司記念館。一堂に会し、妍を競い合うポスター群をぜひご覧ください。良く見れば、それらは破れていたり、引き裂かれたような罅割れが入っていたり、また紙魚が浮いていたりと、決してお蔵入りになっていたものでないことがお分かりになると思います。風すさぶ街頭に、だみ声の酒場に、またバリケードの大学構内に、これらの多くは、劇団員ひとりひとりの手で貼られていったものです。幾人かでも多い観客を願う劇団員の小さな祈り。寺山修司と「天井棧敷」が生きた、時代の喧騒と街の匂いの滲みついたポスター。それらはいま、記念館の壁に封じ込められるのを潔しとはしないかもしれません。ほら、聴こえて来ませんか。かれらのいまにも街へ飛び出して行こうとするかのような息遣いが。
本展覧会では、ポスターのほかにも公演のチケットやチラシ、公演台本、寺山直筆の箱書きなど、普段めったに目にすることのできない公演関連資料も多数展示されています。必見です。
また、青森県立美術館との共同企画「寺山修司dialogueケネス・アンガー」(1/19から3/10まで)も同時開催します。
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