企画展「書を捨てよ町へ出よう」、10/30㈯からはじまります [2021年10月9日]
映画公開50周年記念
特別企画展 2021 vol.2「書を捨てよ町へ出よう」
会期:2021年10月30日(土)〜2022年5月29日(日)
寺山の代表作のひとつ、映画「書を捨てよ町へ出よう」が公開されたのが1971年4月24日。今年で50年の節目である。撮影当時、22歳の青年だった「エイメイ」も古希を越えた。
寺山が遺した数々の惹句のなかでも、もっとも人口に膾炙(かいしゃ)した「書を捨てよ町へ出よう」。
この言葉をタイトルにもつ寺山作品は3つある。最初は1967年の評論集、翌年に舞台版初演、さらに翌年、1969年には約3ヶ月のロングラン公演が行われる。初期天井棧敷の転換点とも言えるこの作品は、時代性を色濃く反映し、そのエネルギーを取り込みながら膨張しつづけ、やがて、1971年の長編映画へと昇華していく。
もともとこの一節は、仏の作家、アンドレ・ジイドの『地の糧』(1897年)の序詞「ナタナエル」から引用されたものである。寺山はジイドの作品に、10代後半~20代前半の間に出会ったと思われ、「雑萃(ざっすい)」と名付けたアイディアノートにジイドの言葉を多数書き写している。そして、寺山の愛蔵書だった堀口大学訳『地の糧』(角川文庫 1953年)は、現在は当館に収められている。
本展では、流れゆく時代感情を正確に切り取った「書を捨てよ町へ出よう」が象徴する寺山の表現哲学を、同名の評論集・舞台・映画それぞれの作品を追うことで明らかにしていきたい。
また、現代において一人歩きしている「書を捨てよ町へ出よう」というフレーズは、いまなお若者を煽動する旗印として使われる一方、寺山がこの言葉に託した真意が理解されているとは言い難い。しかし、寺山自身はたとえそれが誤読であっても、受け手がどのように作品を解釈し、考え行動するか、その作用をおもしろがっていた。 寺山が仕掛けた現象としての「書を捨てよ町へ出よう」がこれまでどのように社会で受容され、伝播してきたか。その全体像に迫る。
関連企画A~C *各回とも事前予約者優先
A. 映画「書を捨てよ町へ出よう」上映会
日時:2021年11月20日(土)17:00〜19:30
場所:寺山修司記念館内 定員:20名(事前予約制)
観覧料:500円
1971年/ATG/カラー/138分 ●サンレモ国際映画祭グランプリ
製作・脚本・監督:寺山修司 撮影:鋤田正義
音楽:下田逸郎/クニ河内/J・Aシーザー 他
出演:佐々木英明/平泉征(成)/斎藤正治/新高恵子/丸山(美輪)明宏
B. 詩人鼎談 ハイティーン詩人たちの「書を捨てよ町へ出よう」 寺山修司からココア共和国まで
秋 亜綺羅 × 佐々木 貴子 × 佐々木 英明
日時:2022年3月26日(土)14:00〜16:00
場所:寺山修司記念館内 定員:20名(事前予約制)
C. 映画「書を捨てよ町へ出よう」スタッフ・出演者によるトークショー
[美術]榎本 了壱 × [主演]佐々木 英明
日時:2022年4月24日(日)14:00〜16:00
場所:寺山修司記念館内 定員:20名(事前予約制)
【事前予約について】電話・FAX・メールのいずれかでお申し込みください。
TEL:0176-59-3434(開館日9:00~17:00)
FAX:0176-59-3440
メール:shuji.terayama.museum@gmail.com
申込事項:
①参加希望のイベントをアルファベット(A~C)で明記してください。
②参加者氏名(ふりがな)・年齢・住所・電話番号
③同伴者がいる場合は、同伴者の人数をお知らせください。
※展示・企画をご覧になる場合は、別途、入館料が必要です。
※17時より前に観覧をお済ませください。
※中学生以下のお子様は保護者の方とご参加ください。
※開催中止・変更がある場合は個別にご連絡します。
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